黄斑前膜除去の為の硝子体手術by聖国際病院
昨年末から左目で見ると真っ直ぐの線が歪む事に気がつきました。右目より物が大きく見えるようになり中心部分に編みかけされたように薄暗く見える自覚も出てきてTVのCMで知った黄斑変性を疑いました。もう30年近くお世話になっている掛かりつけの石田眼科から紹介されて聖路加国際病院の眼科に診察のため行ったのが4月7日。黄斑前膜という診断で14日に夫にもついてきてもらって再度説明を受け近いうちにコロナの影響から手術の制限が始まると危惧してなるべく早くお願いします!という事で入院19日20日手術になりました
石田眼科(左)【小沢 洋子 医師】、(右)院長:【小沢 博子 医師】
《黄斑前膜とは。。。》
公益社団法人 日本眼科医会HPより抜粋
黄斑前膜は、黄斑上膜、セロファン黄斑症、黄斑パッカーとも呼ばれ、網膜の中心である黄斑の前に張る線維状のうすい膜ができる病気です。角膜の病気や水晶体の濁り(白内障)と異なり、眼球の奥底に生じます。「後部硝子体剥離」が主な原因で後部硝子体剥離が起きる際、硝子体と黄斑の癒着が強いと、うまく硝子体が剥がれず、黄斑にわずかに残った硝子体を基にして黄斑前膜が後に生じてきます。斑前膜の症状としては、ゆがみ(歪視)、大きく見える(大視症)、かすんで見える(霧視)などがあります。硝子体手術(しょうしたいしゅじゅつ)は、白目に1mm以内の穴を3 か所ほど開けて行い、硝子体を取り除いた後に、網膜の表面に張り付いている黄斑前膜をピンセットで丁寧に取り除きます。黄斑前膜の裏にある内境界膜も取り除くことが多く、その際は手術を行いやすくするため、ステロイド剤や染色剤を使います。網膜の周辺部に裂孔などがあれば、手術中にレーザー光凝固を行うこともあります。
網膜剥離を認めたり、硝子体と黄斑の癒着が強い場合などは、目の中に空気や膨張性ガスを入れることもあり、その際は術後数日間うつむき姿勢が必要になります。眼球内の気体は術後に徐々に消えて房水(目の中で産生される液体)に置き換わります
《見え方チェックシート》
膜があっても視力の低下や見え方に問題があまりない方は経過観察で済みますが私の場合元々裸眼が0.1もない強度の近視のうえ右図のように歪んで見えあわせて大視症&霞視にもなっていたので手術する事になりました
中央区明石町にある聖路加国際病院(せいろかこくさいびょういん)。ここが正面玄関。地下鉄築地駅7分ですが夫と私はコロナの影響で地下鉄乗り換えでの感染リスク減らすため電車で最寄り駅から1本で行ける新橋駅から病院まで歩くことに。新橋駅からだと2キロほどなので徒歩20分ちょいです
聖路加国際病院旧館(1901年設立現在病床520床の大きな総合病院)
アレルギー持ちで花粉症やものもらいなどで30年近くお世話になっている我が家から徒歩5分程度にある掛かりつけの石田眼科小澤博子先生が私の目の不具合が黄斑前膜で自分のところでは手術ができないから娘の勤めている病院で手術してもらえるよう紹介状書くから。。。と話をしてくださり「若先生のお勤めになってる聖路加で手術なんだ。。。」とあまり深く考えずに紹介状持参で聖路加に行きましたw「娘はこの手術上手よ!」とおっしゃってたのと術後も長くお世話になる将来も考えて聖路加の眼科で手術する事に夫と相談して決めました
「聖路加国際病院眼科では、白内障や加齢黄斑変性・糖尿病網膜症・網膜剥離などの網膜硝子体疾患および緑内障をはじめとし、角膜・結膜・眼瞼などの眼表面の疾患や小児の眼疾患などの診療をしています。単焦点もしくは多焦点眼内レンズを用いた白内障手術、黄斑上膜や黄斑円孔、増殖糖尿病網膜症などに対する低侵襲な硝子体手術、デバイス等を用いた緑内障手術、角結膜・眼瞼の手術や屈折矯正手術を行うスタッフおよび手術に必要な最新の設備を備えております。また、最近では一部の網膜疾患に対しては抗血管内皮増殖因子療法(抗VEGF療法)という薬物治療が行われます。当科では、この治療に経験豊富なスタッフが、病状に合わせた治療を行っています。これらは、専門知識と機器を生かしたしっかりとした診断のもとで行います。これまでの治験や臨床試験の経験、国内・海外の専門家との交流を通じた最新情報をもとに、常に最善の医療を心がけています。専門知識や技術・設備を活用することはもとより、わかりやすく説明することで理解を得ながら、臨機応変に最良の医療を提供したいと思います。病診連携には特に気を配り、網膜剥離や重症な増殖糖尿病網膜症・角膜感染症などの緊急性の高い疾患については積極的な受け入れをしています。そして、加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫などの専門性を要する慢性疾患については、専門知識と治療方針を共有しながら地域と連携して治療を進めます。部長小澤洋子」聖路加国際病院HP眼科部長あいさつ文より
聖路加で診察を受けた夜にホームページを見ていて担当の小澤先生が眼科の部長先生だと初めて知ってびっくりw
聖路加国際病院は全病室が個室!
聖路加は全室個室です。プライバシー保護や感染症対策に関してはとても優れています。昨今のコロナ騒動で院内感染の病院がたくさん出ていますがその点においても個室方式は優れていると思います。お値段には正直びっくりしましたが親切で手厚い看護や美味しい病院食もあってこの値段は妥当だと思います。1週間くらいの入院とわかっていたのと入院保険にも入っているのでなんとかなると夫が言ってくれました
《個室Cの中の様子》私最初入院したのは個室C外科系の患者さん用4階428号室でした
428号室窓から見える風景
テレビは天井近くの壁についてます
手洗い場がベットのすぐ側にあります。泡ソープと紙タオル付きで家から持ってきた手洗いせっけんは不要になりました
トイレにはシャワーも付いてます
部屋の空調はこれでコントロール。23度にしてましたがとても快適でした
入り口付近にあるロッカー
中は細々とした荷物が収納できます
《個室Bの様子》
個室Cより少し広いです。Cではテレビや冷蔵庫は有料でしたが(先払いしたカードを差し込んで使い退院時清算)ここでは無料です
この部屋から見える風景。正面玄関の真上のようです。聖路加ガーデンへの渡り廊下が見えます
ここはあまり変わりません
個室Bについていたアメニティグッツ
タオルはここでは備え付けが使えます。個室Cとはシャワーヘッドの形状が違いました
室内にもう一つの椅子
《6階の屋上庭園の様子》
4-9月は8:00-18:00まで、10-3月は10:00-16:00まで
エレベータで6階に行きドアを開けると屋上庭園が広がっていて自然の風に当たれて散歩出来気分が良かったです♪車椅子の方が散歩されてるのにも行きあいました。季節の花木が咲いていてこれからの季節特に楽しめそうですね
思ってたより多彩な木々や花々が迎えてくれました
屋上庭園から見えた聖路加ガーデン
再度訪れた時見つけた紫蘭。これからですね
ピンクのウツギがキレイでした
《病室での点眼や点滴の様子》
入院してすぐ点滴用入れっぱなしの針が左腕に入れられました。手首に巻いてあるタグに名前と生年月日とバーコードが付いてます。薬を飲む時や看護婦さんに点滴を入れてもらう時は必ず自ら名前と生年月日を言って確認してもらい間違えないように投薬治療などがされました。ちなみに和暦でも良いですが看護婦さんに聞いた所書面には西暦が書いてあるの西暦の方が助かるそうです
手術前の点滴
手術前日の点眼薬
前日の点眼薬
手術後の点眼薬のローテーション。時間と薬品名が書いた表を看護婦さんが作ってくれてホワイトボードに貼ってあったのでわかりやすかったです。基本自分で点眼します。最初は時間ごとに看護婦さんが指示と確認のため部屋に訪問してくださってましたがスマホにタイマー設定してる話をしてからは確認だけになりました
この4つを表に添って2時間ごとに手術した左目にさしました。スマホのアラーム機能を使って時間指定したので忘れることなく点眼できました
外来の診察個室。午後の診察で患者さんがいない時間に撮影。毎日8時半に外来に出向いて小澤先生の診察午後は武井先生が診てくださってました
術後の点滴は30分程度で朝と夜の2回
金曜日に点滴が外れました
点滴が外れた金曜から1日8→5回のローテーションに変わり退院後もこのローテーションで点眼しなくてはいけません
手術日翌日から自室に付いているシャワーで点滴針の部位に看護婦さんにビニールで巻いて保護してもらい首から下はシャワーを浴びてました。髪は退院後も2日は自分で洗うのを我慢だそうです。退院前日夕方に左に写っている黒い椅子に座り美容院のようにケープをまとい椅子を倒し看護婦さんに洗髪してもらいました。ドライシャンプーを持参してましたがやっぱり気持ちが悪かったので先発してもらってとっても気持ちが楽になりました
《館内の様子》
コロナの影響も考えて館内をうろつくことはためらわれたのでほんの少しだけですが
4階患者ラウンジ
4階患者ラウンジ
《1階の聖路加画廊》1階ロビーの周りには寄贈された絵が飾ってありました
題字は名誉理事長の日野原氏の筆
ステキな絵で癒されます
このロビーにはスターバックスも出店(ただいまコロナで営業自粛中)
《忘備録》
手術前検査日曜日
視力検査、眼圧検査、目のカーブを測る、視野検査、眼底写真、コントラストをみる検査など
点滴用の針左手に設置
術前日点滴
手術当日月曜日
手術6時間前から食事はダメ2時間前からは水分もダメ薬を飲む時もほんのすこしの水分で
手術は12時半から約1時間程度
術前点滴
後遺症で白内障が進むため合わせて眼内レンズを入れる手術も行う
麻酔の注射はメチャ痛い!歯の麻酔と同じらしい。打ち終えてから麻酔薬をなじませるためか目の周りをグリグリされるんだけどそれが痛くて不愉快
目を強制的に開けてられるようになっててそれがちょっと辛い
万華鏡のような不思議な光あふれる世界が見える。目の中奥の手術なのに中の様子がよく分かる
染色液を垂らされてそれがパアッと広がる様子など不思議な光景ばかり
ピンセットで透明に見える膜を引っ張って剥がしている様子が実際に見える。膜を引っ張る際痛いから早く!早く!と念じる
手術時間は1時間ちょいで予定通り。アクシデントなしガスも注入なしで一安心
部屋に戻って2時に眼科昼食をいただく。食後痛み止めアセトアミノフェン2錠を飲む
痛み止めのおかげでたいした痛みなし
術後の感染症予防の点滴開始
手術2日目火曜日
朝の診察小澤先生少し炎症強しらしい。目薬種類追加
眼圧6眼内レンズのお陰かワントーン明るく見える。歪みと大きく見えるのは変わらず
視界に大きな黒い水玉が出現!先生によると空気らしい。そのうち消えるとのこと
目玉を左右に動かしたり瞼をパチパチすると痛い。。。
3時半に外来に呼ばれて診察(武井先生)眼圧8
痛いというより痒い!とにかく痒い
手術3日目水曜日
2日なかったお通じがやっとある
まだ多少炎症強し
眼圧9
手術4日目木曜日
お通じなし
順調に回復傾向というお言葉で退院が土曜予定と言われる
次回外来予約→30日木曜日9時
眼圧16
12時の武井先生の診察時眼圧11
夜の点滴で点滴終了で針を外す
手術5日目金曜日
お通じあり
眼圧19
画像写真など退院前検査
この日の視力右目1.2左目0.6
点眼の回数が8→5回に減る
午後の診察眼圧14
部屋の移動
点滴の針がないのでシャワーが快適B個室のシャワーヘッドがより快適
看護婦さんに洗髪してもらう
薬剤師さんから退院後の薬の説明
看護婦さんから退院説明
手術6日土曜日
外来から呼ばれるまで部屋で待機
それまでに着替えて荷物の整理
外来は当番の中村先生眼圧17
《入院中の病院食》
日曜昼食から土曜朝食まで全部披露。。。眼科入院だったので1日1800kcal1食600kcal程度でたんぱく質量と糖質量と塩分量を表記した献立表がついてきてました。献立の参考にしてください!
《入院初日》 温そば200gめんつゆ、薬味(長ネギ、七味)オレンジ、かき揚げ(エビ、かぼちゃ、春菊)、しめじの柚香和え
熱量:620kcal たんぱく質:21.9g 炭水化物:99.77g 塩分:3.6g
サバの竜田揚げ(レモン付き)、おひたし(青菜、もやし)、ふろふき大根、抹茶プリン(黒糖たれ付き)
熱量:637kcal たんぱく質:24.2g 炭水化物:103.27g 塩分:2.2g
《入院2日目》
とろっとオムライス、フルーツ盛り合わせ、野菜ジュース
熱量:737kcal たんぱく質:18.4g 炭水化物:119.24g 塩分:4.2g
この日は12時半開始の手術で6時間前から絶食だったので朝食昼食抜き。。。眼科軽食という少しボリューウムあるお昼が2時に食べられます♡
すまし汁(えのき、わかめ)、豚ロース生姜醤油かけ、パプリカソテー、カブと厚揚げの炒め煮、アスパラの辛子和え
熱量:615kcal たんぱく質:27.4g 炭水化物:83.06g 塩分:2.8g
《入院3日目》
味噌汁(豆腐、長ネギ)、サバ西京焼き、ブロッコリーのおひたし、白菜のゆかり和え
熱量:482kcal たんぱく質:19.2g 炭水化物:84.45g 塩分:2.4g
今年初めてのスイカは病院でw
サンドイッチ(ハム&チーズ、ポテト)、野菜スープ、海藻サラダ、あんず入りゼリー
熱量:699kcal たんぱく質:23.6g 炭水化物:79.86g 塩分:4.3g
サンドイッチも出るんだあ。。。とちょっと感激wぜりーもたいへんおいしくいただきました!こういう洋風の時はほうじ茶ではなく紅茶がでるという芸の細かさ♪
煮豆、メカジキ鍋照風、ししとう、醤胡瓜の胡麻酢和え、野菜炒め
熱量:637kcal たんぱく質:24.2g 炭水化物:103.27g 塩分:2.2g
《入院4日目》
牛乳、味噌汁(ワカメ、オクラ) 、のり佃煮、厚揚げのあんかけ、小松菜しらす和え
熱量:621kcal たんぱく質:23.4g 炭水化物:89.66g 塩分:3g
あんこう鯛粕漬け、インゲンおかか和え、肉じゃが、カリフラワーと枝豆の酢味噌和え、オレンジ
熱量:619kcal たんぱく質:26.6g 炭水化物:101.19g 塩分:2.3g
オレンジがとってもおいしかった!
すまし汁(ほうれん草、花麩)、豚肉とネギの炒め物、もやしのポン酢和え、大根エビの葛煮
熱量:562kcal たんぱく質:22.8g 炭水化物:82.61g 塩分:3.2g
《入院5日目》
牛乳、味噌汁(シジミ、万能ネギ)、しその実漬け、ブロッコリーのマヨ辛子和え、高野豆腐の味噌炒め煮
熱量:624kcal たんぱく質:20.8g 炭水化物:89.13g 塩分:2.9g
焼きそば220g、かぼちゃとアスパラの胡麻味噌かけ、スイカ
熱量:608kcal たんぱく質:20.5g 炭水化物:87.89g 塩分:3.4g
すまし汁(かまぼこ、かいわれ)アジ南蛮風、2色浸し(ほうれん草、たまご)、とろろ芋とだし割醤油付き
熱量:552kcal たんぱく質:25.2g 炭水化物:91.72g 塩分:2.8g
今回のおかずで一番美味しく感じたアジの南蛮!帰宅したら作って食べよう!と
《入院6日目》
牛乳、味噌汁(花麩、ミツバ)、ふりかけ、赤魚みりん漬け60g、小松菜浸し、はくさいと揚げ煮浸し
熱量:608kcal たんぱく質:28.6g 炭水化物:86.32g 塩分:3.2g
青椒肉絲、大根煮物、中華和え、キーウイ
熱量:637kcal たんぱく質:24.2g 炭水化物:103.27g 塩分:2.2g
サケバター焼き、スナップエンドウ、オニオンスープ、カリフラワーの梅カツオ和え、スパゲッティサラダ
熱量:596kcal たんぱく質:25.3g 炭水化物:86.01g 塩分:2.8g
《入院7日目》
味噌汁(なめこ、きぬさや)、牛乳、味付け海苔、スクランブルエッグ、野菜とウインナーのそてー、トマトケチャップ
熱量:649kcal たんぱく質:22.1g 炭水化物:88.86g 塩分:3g
病院食を1週間食べての感想:食事は総じてとても美味しかった!野菜を食べさせる工夫が多様で参考になった。食器が味気ないメラミンやアルマイトではなく普通の陶器や塗り物を使っているで見た目もよく好感が持てた。特にこの程度で1食たんぱく質が20gも取れることにビックリ!普段の我が家の食事はいくら運動してるからといっても食べ過ぎ。。。今回のメニューを参考に食事改革をしよう!と心に誓いました
退院後毎食後抗生物質のカプセルを飲みます
目の保護(衝撃予防のため)の為金属製眼帯(ギッテル)をしています。1日5回点眼する目薬は透明なプラにまとめて入れて冷蔵庫で保管しています。術後2週間はこの眼帯を通してモノを見るそうで夜も保護のためつけて寝るように指導を受けました
《その後》
術後1回だけ聖路加国際病院に通院しましたがそれ以降は石田眼科で執刀医の洋子先生の診察日に隔週で検診に行き点眼薬もブロナックとリンデロンを1日4回(朝昼晩寝る前)になり生活しやすくなりました。6月9日の検診でも「順調ですね!」ということで次は1ヶ月後で視野検査をすうそうです。今回水泳も許可になりました
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